ネット検索で「ライバー事務所」と入力すると、サジェストに「怪しい」「騙された」「辞めたい」といった不穏なキーワードが並びます。こうした悪評が絶えない背景には、無差別なスカウト活動と不平等条約のような契約形態が存在します。
取材に応じた元所属ライバーの女性(24歳)は、InstagramのDMをきっかけに所属を決めた当時の様子を次のように証言します。「『あなたの声には才能がある。初月から時給3,000円を保証する』と熱烈に口説かれました。しかし実際に契約すると、時給保証には『月100時間以上の配信』かつ『ギフト獲得数上位10%以内』という非現実的な条件が設定されており、達成できなければ完全無給。辞めたいと申し出ると『育成費用として違約金150万円を支払え』と脅されました」。
国民生活センターや法テラスに持ち込まれるライバー事務所の契約トラブル相談件数は高止まりを続けており、主な手口として以下の3パターンが確認されています。
- 誇大広告スカウト:「初心者でも確実に稼げる」「有名インフルエンサーと共演」と事実無根の約束で囲い込む手口。
- アカウント・IPの囲い込み:退所時に配信アカウントの利用停止を命じたり、VTuberのキャラクターモデル(Live2D・3Dアバター)の権利を事務所側が独占して活動継続を阻む手口。
- 法外な契約解除金:契約期間内の退職に対して「損害賠償」名目で数百万円単位の違約金を請求する手口。
経済産業省や公正取引委員会が公表しているフリーランス・クリエイター保護のガイドラインに照らし合わせても、優越的地位の乱用にあたる悪質な契約形態が依然として横行しているのが実態です。