区民の多くが突き当たるのが、蒲田の本庁舎である大田区役所本庁窓口と専用カードセンターの使い分けという壁だ。本庁舎は戸籍や住民票の異動手続きで終日ごった返しており、カード受け取りのためだけに立ち寄ると不要な混雑に巻き込まれやすい。一方で専門センターは交付事務に特化しているため、動線設計自体は格段に合理的だ。
区長の鈴木晶雅氏が掲げる地域密着型の行政推進方針のもと、大田区では特別出張所を活用した分散対応も模索されてきた。しかし、端末の暗証番号設定や厳格な顔認証照会といったクリティカルな作業は、セキュリティが担保された拠点へ集中せざるを得ない。住民側の「役所に行けばなんとかなる」という思い込みが、特定の窓口への一極集中を招く皮肉な結果を生んでいる。