絢香さんの闘病生活を語るうえで欠かせないのが、2009年2月に結婚した俳優・作家の水嶋ヒロさんの存在です。同年4月に行われた結婚会見で、水嶋さんは「絢香の病気を僕が守り、完治させたい」と力強く宣言しました。当時、人気絶頂だった若手俳優がキャリアのリスクを顧みず、パートナーの命と健康を最優先に選んだ決断は、世間に大きな感動を与えました。
2009年末の『NHK紅白歌合戦』を最後に無期限の活動休止に入った後、二人は二人三脚で治療専念の生活を送ります。水嶋さんは甲状腺疾患に配慮した栄養バランス抜群の手料理を毎日作り、精神的なストレスを徹底して排除する環境を整えました。バセドウ病の治療経過においては、薬物療法(抗甲状腺薬の服用)に加え、何よりも「心身の絶対的な安静」が不可欠とされます。
献身的なサポートと本人の強い意志が実を結び、約2年間の療養を経て甲状腺ホルモンの数値が安定。2011年12月、絢香さんは自身のレーベルを設立し、同年の紅白歌合戦で見事な復活を果たしました。ステージ上で万感の思いを込めて歌い上げた『みんな空の下』は、多くの人々の涙を誘い、完全復活を印象づける伝説のパフォーマンスとなりました。