多くのファンにとって忘れられないのが、対戦格闘ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』(PS3版)における浪川の演技だ。第5部の主人公、ジョルノ・ジョバァーナの声を担当した彼は、ギャングスターを志す少年の内に秘めた「覚悟」と冷静沈着な意志を見事に表現してみせた。
特に無駄無駄ラッシュの掛け声や、静かなる怒りを込めた低音のトーンは、当時のプレイヤーを大いに唸らせた。後にTVアニメ版で同役を小野賢章が引き継ぐことになるが、浪川が作り上げたジョルノ像は「ゲーム版ならではの気品と冷徹さの均衡」として、今なお根強い支持を集めている。一つの役に異なる名優が命を吹き込むジョジョの歴史において、浪川の存在は初期の金字塔であった。