高水準の給与が保障されている検事ですが、その日常は極めて過酷な業務プレッシャーと隣り合わせです。「激務に見合う報酬なのか」という問いには、現場のシビアな実態が横たわっています。
検事の仕事には、逮捕後最大23日間の勾留期間内に起訴・不起訴を判断しなければならない厳格なタイムリミットが存在します。特に当番検事の日には、深夜・早朝を問わず警察からの身柄送致や令状請求に対応し、被疑者の取り調べ、被害者聴取、証拠精査、起訴状の起案を連日徹夜同然でこなす局面が日常茶飯事です。
さらに、東京地検特捜部や大阪地検特捜部に代表される特別捜査部(特捜部)に配属された検事は、政界汚職や巨大企業の背任・脱税といった歴史的疑獄事件に対峙します。関係先の一斉家宅捜索から膨大な押収資料の分析、供述の引き出しに至るまで神経をすり減らす日々が続きます。
特捜部の検事だからといって特別に基本給が跳ね上がるわけではなく、あくまで俸給表に沿った支給となります。過酷な拘束時間とプレッシャーを単純な時給換算すれば決して割に合うとは言い切れない側面があり、多くの検事は「不正を正し巨悪を眠らせない」という強い使命感とプライドを原動力に現場を支えています。