実は『BAD』には、音楽史を大きく変えていたかもしれない知られざるエピソードが存在する。当初、この曲はライバルと目されていたプリンスとのデュエット曲として企画されていたのだ。クインシー・ジョーンズが両者の仲介役となり、対決構図の楽曲にしようと試みた。
しかし、最終的にプリンスはこのオファーを辞退した。「Who's bad?」という歌詞に対し、「自分が歌わなくても君が歌えば成立する」と判断したとも、歌詞のイニシアチブを巡って妥協しなかったためとも言われている。もし二人の大スターによるデュエットが実現していたら、どのような化学反応が起きていたのか。音楽ファンにとって永遠に語り継がれるロマンだ。