煮付けの最中に魚の身がバラバラになってしまう原因は、タンパク質の急激な凝固と内部水分の爆発にある。下処理の段階で塩を軽く振り、15分ほど置いてから表面の水分を拭き取る「水抜き」の作業を行うことで、身がキュッと引き締まる。
さらに重要なのが煮方の工夫だ。平底の鍋やフライパンを選び、魚同士が重ならないように並べること。落とし蓋(アルミホイルや木蓋)をすることで、煮汁が鍋の中で循環し、魚をひっくり返す必要がなくなる。ひっくり返す動作こそが身崩れの最大要因なのだ。煮時間は強火で一気に8〜10分程度。ダラダラと長煮するのではなく、短時間で煮詰めるのがプロの鉄則である。