記憶をフィルムとして実体化させ、自由に編集・消去・捏造する能力。それがこの実の基本特性だ。だが、作中で見せた芸芸たる能力の行使は、あくまで基礎の範囲に過ぎないのではないかという疑問が浮かび上がる。もしもこの能力が「覚醒」の域に達していたらどうなるか。周囲の環境や他者に影響を及ぼすという悪魔の実の覚醒概念を当てはめるなら、その影響範囲は個人の脳内にとどまらなくなるはずだ。
広範囲の群衆の記憶を一瞬で改変する、あるいは人間だけでなく「場所に刻まれた記憶」や古代の記録媒体にまで干渉できると仮定したらどうだろう。もし歴史の本文(ポーネグリフ)や古代兵器にまつわる記憶、あるいは世界政府が隠蔽し続けてきた「空白の100年」に関する人々の認識まで編集可能だとしたら、その影響力は計り知れない。悪魔の実の覚醒によって、記憶改変が次元を超えた概念干渉へ進化する可能性は極めて高い。