東京の宿舎ヒエラルキーの頂点に君臨するのが、江東区にそびえる東雲住宅だ。36階建ての威容を誇り、免震構造や非常用自家発電装置を備えたこのタワーマンション型宿舎は、3.11以降の防災拠点としても機能する。入居希望者は後を絶たず、募集時期によっては「倍率30倍超」を記録する超激戦区となっている。
対照的な運命を辿ったのが、かつて渋谷区の超一等地に存在した原宿住宅だ。表参道至近という破格の立地にありながら、世論の猛反発と行財政改革の槍玉に挙げられ、惜しまれつつ廃止・解体された。現在は民間へ売却され、超高級商業施設や高級レジデンスへと変貌を遂げている。
原宿住宅の廃止以降、都心一等地における宿舎の新規建設は完全に凍結された。その結果、残された東雲住宅や勝どき住宅などの高スペック物件に希望者が殺到し、倍率のインフレが加速する悪循環が生じている。