彼の経営哲学の根底には、名門・浦和レッドダイヤモンズで培った闘争心と、恩師イビチャ・オシムから授かった「考えながら走る」という思想が息づいている。浦和のキャプテンとしてJリーグ制覇やアジア制覇を成し遂げた日々は、単なる栄光の記憶ではなく、現在の組織マネジメントの血肉となっているのだ。
「オシムさんは常に、2手先、3手先の状況を予測して動くことを求めていました。ベンチャー企業の舵取りもまったく同じです。マーケットがどう動くか、競合がどこへ走るかを先読みしながら、自分自身は誰よりも汗をかかなければならない」と彼は振り返る。
派手なプレーではなく、泥臭い守備でチームを勝利に導いてきたプレースタイルは、そのまま彼の事業スタイルに重なる。華やかなテック企業のイメージの裏で、地道なデータ収集と地道な臨床実験を積み重ねる姿勢こそ、オシムイズムの真の後継者たる証左だろう。