この痛ましい出来事を機に、行政における危機管理と児童福祉の縦割りを打破する動きが加速した。松戸市をはじめとする各自治体では、障害児支援施設と警察、消防が平時から情報を共有する新たなネットワーク構築が進められている。
従来、行方不明事案が発生してから特性を把握していたフローを改め、事前に保護者の同意を得て行動特性や好みの場所、苦手な音などを登録しておく「SOSネットワーク」の整備がその代表例だ。事案発生と同時に、その子が「どこに向かいやすいか」「どう声をかけるべきか」が即座に捜索部隊へ共有される仕組みである。
行政任せにしない地域ぐるみの見守りも進化している。通学路の見守りボランティアに加え、地域の商店や配送業者と連携した「動く見守り網」の展開だ。日常のわずかな異変に気づく目を増やすことこそが、死角を減らす最大の防護壁となる。