猫の目から出たばかりの涙は本来、無色透明です。それにもかかわらず、時間が経つと猫の目やにが赤茶色や濃い茶色に変色する最大の理由は「涙の酸化」にあります。
猫の涙には、代謝プロセスで生成される「ポルフィリン」と呼ばれる鉄分を含んだ色素成分が含まれています。涙がまぶたの外へあふれ出し、外気中の酸素や日光(紫外線)に触れることで、鉄分が酸化反応を起こして赤茶色へと変化します。朝起きたときに目頭の毛先に少しだけついている、乾燥して「カピカピ」になった茶色い目やには、睡眠中に分泌された微量の涙や代謝産物が固まったものであり、大半は健康な猫でも日常的に見られる生理現象です。
ただし、健康な状態であれば目やにの量はごくわずかであり、両目の目頭付近に小さく付着する程度にとどまります。日常的な代謝によるものなのか、過剰な涙の分泌を促すトラブルが起きているのかを正しく見極める観察眼が求められます。