文字刺繍を美しく見せるための第一歩は、文字刺繍の糸の本数選びにあります。刺繍糸は通常6本の細い糸が撚り合わさった「6本取り」の状態で販売されていますが、これをそのまま針に通して文字を縫うと、糸が太すぎて繊細な線がつぶれ、ボテッとした不格好な仕上がりになってしまいます。
繊細な文字を美しく表現する基本は、1本取りまたは2本取りです。一般的なハンカチの名入れや入園準備のひらがなネームであれば、視認性と縫いやすさのバランスが良い「2本取り」が推奨されます。細かい筆記体や1cm以下の極小文字を縫う場合は、迷わず「1本取り」を選択してください。糸を細くすることで、曲線の滑らかさや文字の角のシャープさが格段に向上します。
また、縫い進める際の「針足の長さ(1針のピッチ)」も重要です。直線の部分は2〜3mm程度で進めて問題ありませんが、急なカーブや曲がり角では針足を1mm前後に縮めることが鉄則です。針足を細かく刻むことで、カクカクとした多角形にならず、滑らかで美しいストロークを描き出すことができます。