多くの高校球児が抱える「引退後の燃え尽き症候群」や「自立性の欠如」という課題に対しても、同校の取り組みは一石を投じている。部署制を通じて培われるプレゼンテーション能力、データ分析力、チームマネジメント力は、社会に出てから最も求められるスキルそのものだからだ。
実際に、同校野球部のOBたちは大学進学後や社会人となってからも、多様な分野で高いリーダーシップを発揮している。「野球を通じて人間を育てる」というお題目を、これほど実利的なシステムとして落とし込んだ例は過去にない。甲子園での勝利は、彼らにとって目的ではなく、人間的成長の過程で得られる「結果」に過ぎないのだ。