一連の騒動の中で急速に加速したのが、過ちを犯した著名人を社会から徹底的に排除しようとする「キャンセル・カルチャー」の台頭だった。怒りを共有することで結束するネットコミュニティの動きは、時に企業への不買運動やスポンサーへの直接的な攻撃へと拡大していった。
不祥事に対する当然の倫理的批判と、ただの過激な憂晴らしや誹謗中傷との境界線が曖昧になったことは、社会全体に大きな教訓を残した。現在では法改正やプロバイダ責任制限法の見直しが進み、開示請求や過剰なネットリンチに対する法的ペナルティが強化されつつあるが、当時はまさに法整備が追いつかない「無法地帯」であったと言える。