西京漬けの要となるのが、米麹をたっぷり使った上品な甘みが特徴の「西京味噌」だ。京都府味噌工業協同組合の規格に則った本物の西京味噌を使うことで、まろやかな風味が生まれる。しかし、鶏もも肉や胸肉は熱を通すと水分が抜けやすく、パサつきの原因になりやすい。ここで老舗料亭が伝授する秘伝の隠し味が「甘酒」と「みりん」、そして隠し味の一滴としての「濃口醤油」だ。
味噌床の黄金比は、西京味噌100gに対して、みりん大さじ1、酒大さじ1、そして甘酒大さじ2分の1。この甘酒に含まれる酵素が肉の分解を助け、驚くほどの柔らかさを生み出す。辻調理師専門学校などの技術解説でも注目されるように、タンパク質分解酵素の働きを最大化させるため、ジッパー付き保存袋で空気を抜いて半日〜一晩じっくり寝かせるのがポイントだ。