炊飯器に「おこわコース」が付いていない場合、選択肢となるのが「通常炊き」と「早炊きモード」の使い分けです。どちらのコースを選ぶかによって、仕上がりのテクスチャーと必要な前処理が変わってきます。
もち米を炊飯器の通常炊きで仕上げる場合は、前述の通り洗米後の浸水時間をゼロにし、しっかり水切りをした米に冷水を注いで即座に炊飯ボタンを押します。これにより、内釜が温まる過程での適度な吸水にとどまり、粒立ちをキープできます。
一方、あえて早炊きモードを活用する手法も玄人の間では高く評価されています。早炊きモードは吸水工程をカットして急速に強火加熱へ移行するため、お米の表面がダレず、シャキッとしたコシのある仕上がりになります。ただし早炊きを使う場合は、米粒が全く水を吸っていないと芯が残るリスクがあるため、「あらかじめ15分だけ冷水に浸してから、水を規定量に切り替えて早炊きにかける」というアプローチが成功の鍵を握ります。
万が一炊き上がりに失敗してしまった場合でも、あきらめる必要はありません。状態に応じたリカバリー策が存在します。
- ベチャベチャになってしまった場合の対処法:炊き上がったら保温を即座に切り、釜の内壁に沿ってしゃもじを入れ、底から大きく持ち上げるようにして余分な水蒸気を逃がします。清潔な手ぬぐい等を内釜にかぶせて蓋をし、10分ほど置くと余剰な水分が布に吸収されます。それでも柔らかすぎる場合は、フライパンにごま油を薄く引き、おやきのように両面を香ばしく焼き上げるリメイクが効果的です。
- 芯が残って硬い場合の対処法:全体に日本酒(または酒と水を1:1で割ったもの)を米2合あたり大さじ1〜2程度回しかけ、耐熱ボウルに移してふんわりとラップをかけます。電子レンジ(600W)で1分30秒〜2分加熱し、そのまま5分間蒸らすことで、アルコールの蒸気圧とともに米の中心まで水分が浸透し、ふっくらと復活します。