近年の発達心理学における画像解析や行動観察の進歩は、赤ちゃんの感情表現に対する従来の常識を大きく覆しつつある。世界保健機関(WHO)や日本小児科学会が推進する乳幼児のメンタルヘルス研究においても、生後数ヶ月の段階で親子の非言語的な相互作用がいかに脳の発達へ直接的な影響を与えるかが繰り返し報告されている。
意外かもしれないが、「ママの前でだけ激しくぐずる」「離れると激怒して泣く」といった行動こそ、強固な信頼が結ばれている動かぬ証拠だ。外界に対する不安を抱えたとき、感情を無防備に爆発させられる安全な避難所として母親を認識しているからにほかならない。笑顔やクーイングといった分かりやすい好意だけでなく、葛藤や甘えの激しさそのものが、深い愛着の裏返しなのである。