多くの人々が「志村けんがゼロから作詞作曲したギャグソング」と誤解しがちですが、実際には確固たる東村山音頭の元ネタ・原曲が存在します。原曲は、東村山が町制を施行した翌年の1963(昭和38)年、町民の融和と発展を祝って制作された本格的な民謡でした。キングレコードから発売され、歌唱を担当したのは昭和歌謡界の巨頭である三橋美智也さんと下谷二三子さんという豪華な布陣でした。
志村さんはこの原曲のメロディを土台にしつつ、持ち味であるポップカルチャーの感性を大胆に注ぎ込みました。特に有名なのが東村山音頭の歌詞「一丁目」のパートです。四丁目を正調民謡の情緒で歌い上げたかと思えば、三丁目では軍歌調に変化し、一丁目では突如としてソウルシンガーのように絶叫する「一丁目、一丁目、ワォー!」という落差の演出。この急展開こそが、視聴者の笑いのツボを直撃しました。