ロック少年たちが一度は真似をしてスタンドを倒し、親やスタジオ店長に叱られるのが「マイクターンの洗礼」です。では、具体的にどのようなメカニズムで行われているのでしょうか。
マイクターンの基本的なやり方とコツ
美しいマイクターンを成功させる手順と身体操作のコツは以下の3段階に集約されます。
1. 軸足のセットと重心移動:体をやや斜めに構え、スタンドを倒す方向と回転軸を身体の中心線上に捉えます。
2. スナップと足先の連携:腕力だけで回すのではなく、右手首のスナップを利かせると同時に、スタンドの足元をインサイドキックの要領で軽く押し出します。
3. 遠心力の見極めとキャッチ:1回転して慣性が最も安定した瞬間、視線を逸らさずに支柱の上部を手のひら全体で包み込むように制動します。
語り継がれる失敗エピソードとプロの危機管理
完璧に見える矢沢永吉ですが、過去数千回に及ぶステージの中ではマイクターン失敗のハプニングもゼロではありませんでした。スタンドを弾き飛ばしてステージ袖へ転がってしまったり、キャッチし損ねて床に倒れたケースも記録されています。
しかし、伝説たる所以はその後の対応です。倒れたスタンドを一瞥もせずハンドマイクで歌い続けたり、転がるスタンドを足先で引き寄せて何事もなかったかのように立ち位置へ戻すなど、「ミスを瞬時に演出へと変えてしまう圧倒的アドリブ力」こそがファンの語り草となっています。