ネギ星人編が「伝説のトラウマエピソード」として語り継がれる最大の理由は、容赦のない人体損壊描写と、倫理観の崩壊を見せつけるキャラクターたちの言動にあります。
親ねぎ星人が現れた直後、先ほどまで子ねぎ星人を殴打していたチンピラたちは、頭部を握りつぶされ、胴体を爪で引き裂かれて即死します。逃げ惑う参加者たちが次々と肉片へと変えられていくスピード感は、読者に対して「この作品ではどんな主要人物風のキャラでも一瞬で死ぬ」という強烈な現実を突きつけました。
さらに異彩を放っていたのが中学生・西丈一郎の立ち回りです。西は透明化ステルス機能(コントローラーの機能)を駆使し、他の参加者を囮(おとり)として親ねぎ星人に襲わせながら、自らは安全圏から冷酷にXガンで得点を稼ぎました。仲間を助けるどころか、嘲笑いながら利用する西の冷徹さは、従来の少年漫画の「友情・努力・勝利」を完全に否定するダークヒーロー像を提示しました。
実写映画版(2011年公開)でもこの導入部は忠実に再現され、子ねぎ星人役を当時子役だった長尾寧音氏が特殊メイクで熱演。本郷奏多氏が演じる西丈一郎の不気味な存在感と相まって、CGと特殊造型が融合した生々しい映像体験として映画ファンにも強烈な爪痕を残しました。また、後に大ヒットしたパチンコ『CRぱちんこGANTZ』シリーズでも、ネギ星人バトルは初戦リーチや確変中のプレミア演出として象徴的な地位を確立しています。