モデルとしての華々しいスタートを切った後、彼女の名を全国津々浦々に知らしめたのが、1991年放送のNHK連続テレビ小説『君の名は』です。応募総数2,361人という熾烈なオーディションを勝ち抜き、伝説のヒロイン・氏家真知子役に大抜擢されました。昭和の大ヒット作のリメイクという巨大なプレッシャーの中、1年間にわたる長期撮影を成し遂げた経験が、女優・鈴木京香の強固な土台を形成することになります。
当時の特番インタビューや回想録において、彼女は過密な撮影スケジュールの中で「自分の未熟さに涙することもあったが、現場の職人たちに育てられた」と述懐しています。真知子巻きに代表されるクラシカルな美しさは、往年のファンのみならず若い世代の視聴者をも釘付けにし、清楚かつ芯の強い女性像を確立しました。
さらに彼女のキャリアを決定づけたのが、1995年に放送された三谷幸喜脚本の名作ドラマ『王様のレストラン』です。情熱的でどこかコミカルなバーテンダー・三条政子役を演じ、従来の「おしとやかな美人」というパブリックイメージを鮮やかに覆しました。シリアスからコメディまで自在に行き来する卓越した演技力は批評家からも絶賛され、名実ともにトップ女優の座を不動のものとしました。