マスク増産の舞台裏と現在地|異業種参入の真相と工場のいまを追う

マスク増産の舞台裏と現在地|異業種参入の真相と工場のいまを追う

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過熱したマスク増産ブームの影で、ネット上には今なお根強い誤解や盲点が存在します。その最たるものが「国産と書かれていれば、どれを選んでも品質は同じ」という思い込みです。

当時の補助金ブームに乗って参入した一部の業者の中には、海外から安価な粗悪フィルターを取り寄せ、国内でパッケージに詰め替えただけで「国内製造」と謳うケースが散見されました。原材料であるメルトブロー不織布自体の品質試験や静電加工の耐久性が不十分な場合、わずか数時間の着用や湿気によって捕集効率が著しく低下するリスクが存在します。

また、「異業種が参入した工場はすべて失敗して閉鎖された」という言説も極端な誤解です。確かに採算割れで撤退した事業者は少なくありませんが、シャープのように自社ブランドの信頼資産として定期便サービスを黒字定着させたケースや、アイリスオーヤマのように不織布の技術をヘルスケア用品全体へと横展開して事業シナジーを生み出した成功例も確実に存在します。「どこで誰が、どのような基準(JIS適合番号など)で作っているか」を見極めない国産信仰は、消費者にとってのリスクとなり得ます。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。