制度が整備される一方で、現場を担う技術者たちからは悲鳴にも似た実態が報告されています。施工管理系のコミュニティや業界関係者の取材を通じて浮かび上がったのは、デジタル化の理念と現場運用の凄まじいギャップです。
「日中は現場の安全管理と工程調整に追われ、COBRISの入力画面を開くのは毎晩21時過ぎ。協力会社のダンプ運行記録と受領書の枚数を照合し、1立米単位の誤差を突き止める作業だけで数時間を奪われる」(40代・元請ゼネコン土木技術者)
「土砂の受入先事業者が受領書のデジタル返送に対応しておらず、紙の受領書をスキャンして手動で突合している。省力化のためのDXのはずが、事務負担だけが増大している」(30代・舗装工事業工務担当)
とりわけ中小施工業者においては、専任の事務スタッフを配置できず、現場代理人ひとりにCOBRIS登録、電子マニフェスト登録、施工体制台帳の整備が集中する「多重事務負荷」が深刻な問題となっています。JACICの定期的なシステムメンテナンスや月末締めの混雑時には、回線遅延によって入力データが消失するトラブルも報告されており、早めの計画登録とこまめな下書き保存が現場の自衛策となっています。