ファンや音楽リスナーの間で長年関心を集め続けているのが、行くぜっ!怪盗少女の歌詞変更の真相です。本作の大きな特徴は、間奏部分でメンバーの名前を一人ずつコールしていく「名乗り口上」にあります。オリジナル版の歌詞では、以下の順序で6人の名前が織り込まれていました。
「しおり しおり… あかり あかり… かなこ かなこ… れに れに… ももか ももか… あーりん あーりん…」
転機が訪れたのは2011年4月、サブリーダーを務めていた早見あかりの脱退理由に起因します。早見氏は当時、自身の適性と将来像を深く自問自答し、「アイドルとしての自分と、女優を目指す本来の夢とのギャップ」に真摯に向き合った結果、中野サンプラザ公演をもってグループを離れる決断を下しました。この脱退を受け、グループ名は「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」へと改名。これに伴い、楽曲の根幹であった名乗りパートも再構築を余儀なくされます。
あかりパートを単純にカットするのではなく、全体の拍数を保ちながら、残る5人でどうエネルギーを維持するか――。導き出された回答は、歌詞のリフレインとコール配分の再構築でした。さらに2018年1月、有安杏果の卒業を経て4人体制となった際、グループは過去の資産に頼るのではなく、新体制での再レコーディングを決断します。これが現在公式に歌い継がれている『行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-』です。
2026年現在のライブ現場における行くぜっ!怪盗少女の現在の歌割りは、百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れにの4名によって美しく再構築されています。かつて有安が担当していた力強いハイトーンパートや、早見が担っていたクールなラップのフックは、玉井や佐々木が洗練されたボーカルコントロールで引き継ぎ、楽曲のスピード感を損なうことなく、大人の表現力へと昇華させています。