即位の礼に続き、1990年11月22日から23日にかけて執り行われたのが、一連の皇位継承儀礼のなかでも最も神聖とされる「大嘗祭(だいじょうさい)」です。皇居・東御苑に大小30余りの木造殿舎からなる「大嘗宮」が特設され、悠紀殿(ゆきでん・秋田県産米)と主基殿(すきでん・大分県産米)において、新天皇が夜を徹して国家の安寧と五穀豊穣を祈る親祭が捧げられました。
大嘗祭は強い宗教的性格を持つ儀式であるため、国の公金支出が政教分離を定めた憲法第20条に抵触しないかが激しく議論されました。政府は「皇位継承に伴う極めて重要な伝統的皇室行事」と整理し、国の予算である「宮廷費」を支出することで公的性格を担保しつつ、憲法違反を回避する高度な法的構成を確立。このときの綿密な法解釈と運営プロトコルが、その後の代替わりの基本形となりました。