この強烈な比ゆ表現の由来は、文字通り「生きている馬の目を一瞬でくり抜いて持ち去ってしまうほどの早業」という極端な誇張から来ています。死んでいる馬ではなく、激しく動き回る生き馬の目を気付かれずにくり抜くなど、常識では考えられない神業に近い悪知恵とスピードです。
歴史的には、地方から江戸(現在の東京)へ出てきた商人や旅人が、都会の目まぐるしいスピード感や百戦錬磨の商人たちに圧倒され、「ここは生き馬の目を抜くような恐ろしい場所だ」と警戒した背景があります。地方ののどかな商習慣とは異なり、少しでも気を抜けば騙されたり商機を奪われたりする大都会の厳しさを鮮烈に象徴した言葉として定着しました。