若者文化とビジネスの中枢が同居する渋谷において、タイ料理店は単なるブームを超え、日常の食インフラとして定着しました。現在、渋谷駅半径800メートル圏内には30店舗以上のタイ料理・東南アジア料理店が密集しており、都内屈指の超激戦区を形成しています。
この激戦区で現地出身のシェフやタイ通がこぞって指名する名店には、明確な共通点が存在します。それは「日本の一般的な味覚に過剰に寄せすぎず、タイ現地のハーブやスパイスの鮮烈さを妥協なく引き出しているか」という点です。かつて主流だったマイルドな甘辛仕立てではなく、バイマックルー(こぶみかんの葉)やレモングラス、生ホーリーバジルの香りをダイレクトに効かせた本格志向の店舗が、熱烈な支持を集めています。
エリアごとの勢力図を見ると、道玄坂周辺は夜遅くまで活気があふれるタイ屋台料理スタイルの老舗・実力店が盤石の強さを誇る一方、宮益坂や明治通り方面には渋谷タイ料理コスパの代名詞とも言えるランチセット充実店が集中。さらに奥渋谷(神山町・宇田川町奥)や桜丘町周辺には、落ち着いた雰囲気で上質な渋谷タイ料理個室ディナーを提供する隠れ家が点在し、利用シーンに応じた棲み分けが完全に確立されています。