物語の中盤、馬を操りバイクを乗りこなすワイルドな「青年」として登場する福山雅治の存在感は圧巻だ。くんちゃんの曾祖父にあたる若き日の姿を演じた福山は、ぶっきらぼうでありながら温かい眼差しを持つ男の魂を、低音の効いた声で力強く演じ切った。細田監督と福山雅治の直接のディスカッションを通じて造形されたこの青年は、くんちゃんが「男らしさ」や「生きること」を学ぶ重要な契機となる。
一方、物語の根底を支える祖父役の役所広司は、わずかな出番でありながら圧倒的な重厚感を残す。家族の血脈と時間の重みを一言の台詞に凝縮させるその技術は、まさに名優の真骨頂だ。福山雅治と役所広司という巨頭が物語の要所を引き締めることで、作品は単なる子どもの冒険譚を超え、世代を超越した人生賛歌へと昇華した。