『ドラゴン桜』シリーズにおいて、長澤まさみが演じた水野直美の成長曲線は、本作が描く「教育と再生」のテーマそのものです。2005年の第1シリーズにおいて、水野は小料理屋を営む母親との関係や家庭環境のハンディキャップに苦しみながら、阿部寛演じる弁護士・桜木建二が立ち上げた「東大特進クラス」へと飛び込みました。
2021年の続編で彼女が弁護士として戻ってきた設定は、単なるファンサービスではありませんでした。制作関係者の証言によると、続編の構想段階から「桜木の教育理念を最も深く理解し、生徒たちの痛みに寄り添える伴走者」として水野直美の存在が不可欠視されていたといいます。
長澤まさみは当時、第1シリーズで見せた等身大の揺らぎや脆さを内包しながらも、司法試験を突破したプロフェッショナルとしての凛とした立ち振る舞いを見事に両立させました。感情的な生徒たちに対して放たれるドラゴン桜の名言・セリフの数々を、今度は「教わる側」から「導く側」として語る姿は、視聴者に強烈なカタルシスを与えたのです。