真鱈の真価を味わうための最大の焦点は、12月から翌年2月にかけての厳冬期にあります。
産卵を控えたこの時期、オスは腹の中に大きく発達した精巣を抱え込みます。これこそが、冬の珍味として絶大な人気を誇る「白子(しらこ)」です。北海道では「タチ」、東北地方では「キク」「キクワタ」、京都などの関西では「雲子(くもこ)」と情緒豊かな別称で呼ばれます。新鮮な白子は、一口噛めば濃厚でミルキーなコクが広がり、冬の日本酒のアテとして右に出るものはありません。
栄養学的観点から見ても、鱈と白子は冬の体調管理に極めて適した構成を持っています。
・高タンパク・低カロリーの白身:アスリートの減量食や高齢者の筋力維持に理想的なアミノ酸バランスを誇ります。
・白子のビタミンB12とDNA核酸:白子は細胞新生を促す核酸(DNA)が全食品中でもトップクラスに含まれ、貧血予防を助けるビタミンB12も極めて豊富です。
・冬が旬の魚まとめ:真鱈のほかにも、寒鰤(寒ブリ)、虎河豚(トラフグ)、鮟鱇(アンコウ)、平目(ヒラメ)などが冬の代表格です。いずれも寒さに耐えるため脂を乗せるか、産卵に向けて滋養を蓄える時期にあたり、1年のうちで最も栄養密度が高まるタイミングと合致しています。
店頭で質の高い真鱈の切り身を選ぶ際は、「身に透明感があり、ピンクがかった白さを保っているか」「皮の黒と灰色の模様が鮮明か」「パックの底に赤いドリップ(水分)が溜まっていないか」の3点を注視してください。身が白濁してドリップが多いものは、水分とともに旨味成分がすでに流出してしまっています。