サロンで赤に染めた髪が最終的にどのような色に着地するかは、ベースとなる髪のメラニン色素量、つまりブリーチの有無とベース明度によって180度異なる。赤のヘアカラー剤は、髪の内部に人工の赤色染料を浸透させて発色させているが、日々のシャンプーや摩擦によってこの人工染料が徐々に流れ出ていく。その結果、最後に残るのは「脱色された地毛の色」と「わずかに残留した赤色染料」が混ざり合った色合いとなる。
まず、ブリーチなしの赤髪色落ち経過を見ると、染め立ての深いカシスやダークチェリーから、数週間をかけて自然な「赤みを含んだウォームブラウン」へと落ち着くケースが極めて一般的だ。日本人の地毛は元々赤褐色を帯びているため、ブリーチを介さない中明度のトーンであれば、不自然に金髪化することはなく、オフィスシーンでも馴染みやすい落ち着いた茶髪に着地する。
対照的に、ブリーチありの赤髪色落ちが何色になるかといえば、ベースの明るさ(1回ブリーチか2回以上か)によって大きく分かれる。アンダーグラウンドが14〜16トーン程度(ブリーチ1回)の場合、赤が抜けるにつれて「アプリコットオレンジ」から「黄みの強いライトブラウン」へと変化する。一方、17トーン以上のホワイト近くまで脱色したベースであれば、ビビッドな赤から「淡いサーモンピンク」を経て「クリーミーなベージュ」へと柔らかくフェードしていく。仕上がりの希望だけでなく、「色落ちの過程でどのトーンに留まりたいか」を計算した上でブリーチ設計を行うことが肝要だ。