「薄い紙がなぜ、花火のような爆音を叩き出すのか」という疑問に対し、火薬のような爆発物を想起する子どももいます。しかし、紙鉄砲が大きな音を出す原理と理由は、極めて洗練された初歩的な空気力学(流体力学)で説明がつきます。
紙鉄砲の内部には、折りたたまれた三角形の「ポケット(内袋)」が収納されています。腕を上から下へ素早く振り下ろすと、ポケット内部に大量の外気が一気に流入します。この空気抵抗によって、内側に折り込まれていた紙の袋が外側へ向かって時速数十キロメートル相当の猛スピードで一瞬にして反転(裏返り)します。
この反転の瞬間、袋の内部に閉じ込められていた空気の塊が急激に外気へと押し出され、周囲の空気を瞬間的に圧縮・破裂させます。これによって発生する急激な気圧変動の波が鼓膜を震わせ、私たちの耳に鋭い破裂音として届くのです。つまり、紙が破れているのではなく、「紙の急激な膜振動」と「空気の瞬間圧縮解放」が同時に起きることで生まれる空力音響こそが、あの快音の正体です。