熱さまシートをはじめとする冷却ジェルシートの取り扱いで、最も注意を払わなければならないのが「乳幼児の窒息事故」です。この危険性はネットの杞憂ではなく、公的機関や専門学会が長年にわたり公式に警鐘を鳴らし続けている重大な現実です。
日本小児科学会のInjury Alert(傷害速報)や消費者庁の事故情報データバンクには、生後数か月から2歳前後の乳幼児がおでこに貼られた冷却シートを自ら手で剥がしたり、寝返りを打った拍子にシートがズレて「鼻と口を完全に覆い、窒息状態に陥った事例」が複数報告されています。中には顔色が紫になり、意識を失った状態で発見され、緊急搬送された救急事例も含まれています。
乳幼児は以下のような特徴を持っています。
- 寝返りや手足のバタつきによって、頭部や顔面の皮膚が寝具と強く摩擦される。
- 顔にシートが貼り付いても、自分の力で剥がし取る反射動作や腕力が未発達である。
- 窒息しかけても声を出すことができず、静かに呼吸困難へと進行する。
小林製薬公式のパッケージやウェブサイトでも、「乳幼児、認知症の方、身体が不自由な方など、ご自身で使うことが困難な方には使用しない」「使用の際は保護者や大人の監督のもと、口や鼻に貼り付かないよう十分に注意する」と明確に記載されています。「子供が熱を出してかわいそうだから」という親心から、寝ている赤ちゃんの額にシートを貼って別室に離れる行為は、取り返しのつかない危険を伴う行動になり得ます。