壁全体をしらみつぶしに調べるのは非効率ですが、ネズミには自らの移動ルートを固定化する習性があります。的確なネズミ侵入経路特定を行う上で最大の武器となるのが、現場に残された痕跡「ラットサイン」です。
最も分かりやすい兆候は、壁面や幅木、配管の周囲に残る黒褐色の油汚れや擦れた跡です。ネズミの体毛には皮脂やホコリがびっしりと付着しており、同じ通り道を何度も壁伝いに擦りながら往復することで、濃いススのような線がくっきりと残ります。コーナー部分や配管の継ぎ目にこの汚れが集中していれば、そこが主要な出入り口である証拠です。
また、糞の形状と落ちている場所も見逃せません。隅っこに米粒大〜小豆大の糞が散らばっている場合、その直近に通り道が存在します。さらに、柱や配線の皮膜、段ボールがかじられた削りカスが落ちていないかも丹念に観察してください。懐中電灯を斜めから当てて照らすと、細かな足跡や擦り跡が浮き彫りになり、侵入ルートを鮮明に辿ることができます。