フランス落としは、主に左右に開く「両開きドア」や、大小で構成される「親子扉」において、普段開け閉めしない側の扉(子扉・袖扉)を枠にしっかりと固定しておくための建築金物・サッシ金具です。
通常のドアノブで日常的に開閉する側を「親扉」、固定側を「子扉」と呼びますが、子扉がフラフラと動いてしまっては鍵がかかりません。そこで、子扉の端面(小口=閉じたときに親扉と重なり合う側面)にフランス落としを埋め込み、上下の枠に頑丈なロッド棒(ロックピン)を突き刺すことで、扉を壁のように不動の状態に保ちます。
内部のフランス落としの仕組みは極めてシンプルかつ合理的です。扉の小口に取り付けられたツマミ(操作レバー)を上下にスライドさせると、扉の内部を通る金属製のロッド棒が連動します。レバーを押し下げると床面の「受け金具(受座・ツボ)」に、押し上げると上枠の受け穴にそれぞれピンが深く差し込まれ、扉が機械的にロックされます。
日常のフランス落としの使い方としては、普段は上下のピンを下ろした(または上げた)状態で子扉を固定しておき、引越しや模様替えで大きな荷物を運び入れる際、ツマミを中央側へ引いてピンを受け穴から引き抜くだけで、簡単に両開きの開放空間を作り出すことができます。