「気合いが足りないから眠くなる」という精神論は、生理学的に完全に誤りです。生徒を無意識の昏睡状態へと追いやる授業中眠い決定的な理由には、生体リズムと教室の環境要因が複雑に絡み合っています。
第一の要因は、昼休み直後の5時限目・6時限目を直撃する食後授業中眠気原因、いわゆる血糖値スパイクです。早食いや炭水化物(丼もの、購買の菓子パン、大盛りパスタなど)中心の食事を摂ると、血中グルコース濃度が急激に上昇します。これに反応して膵臓からインスリンが大量分泌されると、今度は反動で血糖値が急降下し、脳へのエネルギー供給が一過性に滞って強烈な眠気と倦怠感が発生します。栄光ゼミナールや大手予備校の学習アドバイスでも「13時から14時は体内時計(概日リズム)の周期上、自然と眠気が深まる時間帯」と指摘されており、身体のバイオリズムとして睡魔が訪れるのは自然な現象なのです。
第二の見落とされがちな盲点が、教室内の「二酸化炭素(CO2)濃度」です。冬場の防寒や夏場の冷房効率を優先して窓を閉め切った教室では、生徒数十人の呼気によって室内のCO2濃度が容易に1,500〜2,000ppm超まで跳ね上がります。建築物衛生基準では1,000ppm以下が推奨されていますが、これを超えると頭痛、思考力低下、そして抗えない睡魔が誘発されます。自分だけの問題ではなく、部屋全体の換気不足が引き金を引いているケースが多々あるのです。