オープンワークや各種SNS、掲示板などの口コミを分析すると、企画職に対する評価は「裁量が大きくやりがいがある」という絶賛と、「二度とやりたくないほど過酷」という疲弊の声がくっきりと二極化しています。企画職がきついと言われる理由は、職種の構造的な宿命に根ざしています。
現場のリアルな証言から浮き彫りになる最大の過酷さは、「権限がないにもかかわらず、責任だけを問われる」という板挟み状態です。商品企画や事業企画の担当者は、プロジェクトの旗振り役ではあっても、開発者や営業パーソンの人事権を持っているわけではありません。他部署のメンバーに対して「期日までにこの仕様で作ってほしい」「この方針で売ってほしい」と依頼する際、激しい反発に遭うケースが日常茶飯事です。
「役員からは『もっと革新的なアイデアを出せ』と突き返され、開発現場からは『こんな非現実的な納期でできるわけがない』と怒鳴られる。終日、根回しと会議資料の修正に追われ、企画を考える余裕などない」という大手メーカー企画担当者の手記は、企画職の日常を象徴しています。
企画職の評判とネットの反応を総合すると、精神的な負荷の要因として以下の3点が浮き彫りになります。
1つ目は、「正解のない不確実性」との戦いです。どれほど緻密なリサーチを重ねても、市場に出したプロダクトが確実にヒットする保証はありません。莫大な開発投資を伴うプロジェクトが失敗した際、その矢面に立たされるプレッシャーは計り知れません。
2つ目は、「膨大な社内政治と合意形成コスト」です。革新的な企画ほど現状維持を望む社内勢力の抵抗を受けやすく、稟議を通すための社内ロビー活動に全エネルギーの半分以上を奪われるという構造的ジレンマが存在します。
3つ目は、「業務範囲の曖昧さ」です。企画書を作って終わりではなく、開発の進捗管理から販促ツールの手配、トラブル発生時の火消しまで、プロジェクトの穴埋め役をすべて背負わされる傾向があります。結果として長時間労働に陥りやすく、「体力的にも精神的にも限界を迎えた」という離脱者が後を絶ちません。