断面二次モーメント公式完全網羅!丸暗記を脱する導出と計算の盲点徹底解説

断面二次モーメント公式完全網羅!丸暗記を脱する導出と計算の盲点徹底解説

断面二次モーメント公式完全網羅!丸暗記を脱する導出と計算の盲点徹底解説に関する主要なデータを詳しく解説いたします。

「試験前に詰め込んだ公式が、いざ答案用紙に向かうと12だったか8だったかあやふやになる」――こうした悩みを根底から断ち切るには、断面二次モーメントの導出手順を自らの手で一度紙に書き出してみるのが最短ルートです。高等数学の難解なテクニックは一切必要なく、基本的な多項式積分の知識だけで数行で完結します。

長方形の断面二次モーメント:なぜ分母は「12」になるのか

幅 $b$、高さ $h$ の長方形断面を考えます。図心を通る水平軸を $x$ 軸とし、軸から垂直方向に距離 $y$、厚さ $dy$ の帯状の微小領域を取り出します。この微小面積は $dA = b \cdot dy$ と表せます。

積分範囲は、中立軸($y=0$)を挟んで下端 $-\frac{h}{2}$ から上端 $+\frac{h}{2}$ までとなります。定義式に当てはめると以下の計算が展開されます。

$I_x = \int_{-h/2}^{h/2} y^2 (b \, dy) = b \left[ \frac{y^3}{3} \right]_{-h/2}^{h/2}$

上下限の値を代入すると、

$I_x = b \left( \frac{(h/2)^3}{3} - \frac{(-h/2)^3}{3} \right) = b \left( \frac{h^3/8}{3} - \frac{-h^3/8}{3} \right) = b \left( \frac{h^3}{24} + \frac{h^3}{24} \right) = \frac{bh^3}{12}$

分母の「12」という数字は、積分によって生じる「$1/3$」と、中央から上下に測ることで現れる「$(1/2)^3 = 1/8$」の引き算($1/24 + 1/24 = 2/24 = 1/12$)から導き出されます。この仕組みさえ頭に入っていれば、係数を度忘れすることは金輪際なくなります。

円形断面の断面二次モーメント:直交軸の定理で瞬時に解く

直径 $d$(半径 $r$)の円形断面を直交座標系で直接積分しようとすると、境界が円弧になるため三角関数の置換積分を強いられ、計算ミスを招きがちです。そこで威力を発揮するのが、ねじり問題で登場する断面二次極モーメント($I_p$)と「直交軸の定理」を介した解法です。

中心からの距離を $\rho$ とすると、断面二次極モーメントの定義は $I_p = \int \rho^2 dA$ です。直交座標において $\rho^2 = x^2 + y^2$ であるため、次の一連の式が成立します。

$I_p = \int (x^2 + y^2) dA = \int x^2 dA + \int y^2 dA = I_y + I_x$

円形断面は完全な対称形であるため、$I_x = I_y$ です。したがって、$I_p = 2 I_x$、すなわち $I_x = \frac{I_p}{2}$ という関係が成り立ちます。

半径 $\rho$、幅 $d\rho$ の薄い円環(面積 $dA = 2\pi \rho \, d\rho$)を想定して $I_p$ を計算します。

$I_p = \int_0^r \rho^2 (2\pi \rho \, d\rho) = 2\pi \int_0^r \rho^3 \, d\rho = 2\pi \left[ \frac{\rho^4}{4} \right]_0^r = \frac{\pi r^4}{2}$

これを $I_x = \frac{I_p}{2}$ に代入すれば、$I_x = \frac{\pi r^4}{4}$ が得られます。直径 $d = 2r$($r = d/2$)に置き換えると、

$I_x = \frac{\pi (d/2)^4}{4} = \frac{\pi d^4 / 16}{4} = \frac{\pi d^4}{64}$

円の対称性を利用して「極モーメントを求めて半分にする」というアプローチを知っているだけで、複雑な積分計算を行わずとも数十秒で導出が完了します。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。