ここ数年の糖質制限(低炭水化物ダイエット)ブームの中で、「板チョコアイスは炭水化物が約22gしかないから太りにくい」という言説が一部のインフルエンサーを中心に拡散されました。しかし、これは栄養学的見地からすれば極めて危険な解釈です。
確かに、ご飯1杯(約150g)の糖質が約55g、ショートケーキ1個の糖質が約40g〜50gであることと比較すれば、板チョコアイスの糖質約21.8gという数値は控えめに見えます。しかし、体脂肪の合成メカニズムを考慮すると、問題は単一の栄養素ではなく「組み合わせ」にあります。
糖質を摂取すると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンには血糖値を下げる働きのほかに、「血中の余剰エネルギーを脂肪細胞へと取り込ませる」という強力な同化作用があります。糖質が20g以上存在している状態で、同時に21.5gもの脂質が血中に送り込まれると、インスリンの作用によって脂質が極めて効率的に皮下脂肪・内臓脂肪として蓄積されてしまいます。「糖質控えめだから安心」という油断こそが、板チョコアイスで失敗する最大の盲点なのです。