コミックス第4巻までの「第一部(幼少期編)」では、突然身寄りをなくしたりんを引き取ったダイキチが、周囲に助けられながら親として成長していく姿が情感豊かに描かれました。保育園の送り迎え、急な発熱、同僚やママ友との交流など、リアルな育児の苦悩と喜びは多くの読者から共感を集めています。
ところが、第5巻から幕を開けた「第二部(高校生編)」で物語の空気は一変します。時が10年流れ、ダイキチは40歳、りんは16歳の高校生へと成長していました。読者が息を呑んだのは、りんがダイキチに対して抱き始めた感情の正体です。当初は保護者への親愛や恩義と思われていたものが、次第に「一人の男性に対する明確な恋愛感情」へと昇華していきます。
幼少期からりんを見守り、一途に好意を寄せていた幼馴染の二谷コウキからの告白を、りんは「ダイキチが好きだから」と明確に拒絶します。この場面で、多くの読者は「単なる思春期の憧れ」ではなく、りんの想いが後戻りできない領域に入っていることを知らされました。
そして迎えた第9巻のクライマックス。りんはダイキチに対し「子どもがほしい、ダイキチとの子どもが」と衝撃的な告白をぶつけます。ダイキチは当初、保護者としての倫理観から「俺がお前を育てるって決めたんだぞ」「俺はお前の父親代わりだ」と強く困惑し拒絶しました。しかし、りんの揺るぎない覚悟と熱意に押され、「りんはもう子どもではない」と受け入れざるを得なくなります。最終的にダイキチは「高校を卒業する2年後まで待つこと」を条件に彼女の想いを受け止め、事実上の婚約関係を結ぶという結末に至りました。
本編完結後に出版された番外編(コミックス第10巻)では、高校を卒業したりんとダイキチが名実ともに夫婦となり、穏やかな生活を営む姿が補完されています。こうして、ホームドラマとして始まった物語は、年の差を超えた純愛ストーリーとして幕を閉じました。