SNSや大手レシピサイトのコミュニティを調査すると、「みりん風調味料を買って大失敗した」「レシピ通りの味にならない」という投稿が散見されます。実態を深掘りすると、調味料の特性を知らずに起きた典型的なミスマッチが浮かび上がってきます。
調理専門学校の講師や料亭の料理人が口を揃えて指摘するのは、「発酵調味料(みりんタイプ)を使ったことによる味覚バランスの崩壊」です。知恵袋などでも「すき焼きがしょっぱくなりすぎた」と嘆く声が見られますが、これは発酵調味料に含まれる約2%の塩分を計算に入れず、レシピ記載の醤油と同量の感覚で投入してしまった典型例です。本みりんには塩分が一切含まれていないため、レシピ本が「みりん」と指定している場合は基本的に本みりんを前提として塩分濃度が設計されています。
一方で、現代のライフスタイルにおいて「みりん風調味料」が圧倒的な利便性を発揮する場面も確実に存在します。その最たる例が、電子レンジ調理や非加熱のドレッシング作りです。本みりんを電子レンジ調理で使うと、熱伝導の短さからアルコールが完全に蒸発せず、鼻を突くようなツンとした酒臭さが残ってしまいます。また、酢の物や和え物に生のまま本みりんを加えると、強いアルコール感が食材の繊細な風味をマスクしてしまいます。火を使わずに手早く甘みをつけたいタイパ重視の料理シーンでは、アルコールが1%未満のみりん風調味料こそがベストチョイスになるという現場のリアルな評価も定着しています。