古着でワクチンは怪しい詐欺か?有料の理由と手放した服の行方

古着でワクチンは怪しい詐欺か?有料の理由と手放した服の行方

古着でワクチンは怪しい詐欺か?有料の理由と手放した服の行方の重要なポイントについて、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

回収された大量の古着は、具体的にどのような航路を辿り、誰の手に渡っているのでしょうか。ここには、国際協力の現場を知らない一般消費者が陥りがちな「善意の落とし穴」と、それを回避するための緻密な流通設計が存在します。

かつてアフリカやアジアの途上国では、先進国からの無償衣料援助が大量に流入した結果、現地の縫製業や綿花産業が壊滅的な打撃を受け、自国の産業発展が阻害された歴史(援助のパラドックス)がありました。「無料配布」は一見美談に聞こえますが、経済的な視点では現地の自立を奪う破壊行為になりかねません。

この失敗を教訓に、同社が集めた衣類は主としてカンボジアの首都プノンペンなどの現地直営店や提携リユース市場へ輸出され、あえて安価で販売されています。現地で古着の選別・アイロンがけ・リペア・店頭販売を行うのは、地元の若者や女性、ポリオの後遺症を抱える障がい者たちです。「服を適正価格で流通させて現地に雇用を生み出し、その収益の一部が再び子どもの命を救うワクチンへと循環する」。これがソーシャルビジネスとしての真の姿であり、「寄付された服を転売して暴利を貪っている」というネット上の批判は、支援モデルの構造を誤解した短絡的な見方に過ぎません。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。