脳卒中と脳梗塞の違いを徹底解剖!前兆サインと命を救う初動基準

脳卒中と脳梗塞の違いを徹底解剖!前兆サインと命を救う初動基準

脳卒中と脳梗塞の違いを徹底解剖!前兆サインと命を救う初動基準に関する注目トピックを分かりやすく解説します。最新情報を求める方は必見です。

脳梗塞治療において、医療従事者が「Time is Brain(時間は脳なり)」と口を揃えるのには明白な根拠があります。脳細胞への血流が遮断されると、1分間に約190万個の神経細胞が失われていくとされています。この壊死の連鎖を食い止めるための切り札が、脳梗塞の急性期治療(t-PA療法)です。

t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベータ)療法とは、静脈注射によって血栓を溶かし、血流を再開させる劇的な治療法です。しかし、この薬剤を使用できるのは「症状発症から4.5時間以内」という極めて厳しいタイムリミットが定められています。時間を過ぎてから血管を再開通させると、脆弱化した脳組織に出血性梗塞を引き起こし、かえって致命的な脳出血を誘発するリスクが高まるためです。

さらに近年では、太い主幹動脈が詰まった患者に対し、カテーテルを用いて血栓を直接絡め取る「血管内血栓回収療法」の技術が飛躍的に発展しました。ガイドライン上は発症から6時間〜状況により最大24時間まで適応が拡大されていますが、いずれにせよ「1分でも早く血流を取り戻す」ことが、後遺症の有無と重症度を決定づけます。

適切な急性期治療を乗り越えた後に直面するのが、後遺症の種類とリハビリ期間です。損傷した脳の部位により、片麻痺、感覚障害、言語を失う失語症、状況を適切に認識できなくなる高次脳機能障害、食べ物を飲み込めなくなる嚥下障害など、残る後遺症は多岐にわたります。

リハビリテーションは、発症直後からICU等で開始する「急性期リハビリ(発症〜数週間)」、集中的に機能回復訓練を行う「回復期リハビリ(最大150〜180日間)」、そして退院後に社会生活や在宅機能を維持する「生活期・維持期リハビリ」の3段階で進められます。半年間の集中的なリハビリを経ても、完全に元の状態へ戻る患者ばかりではありません。日常動作を再獲得するための過酷なプロセスを経験した当事者や家族は、口を揃えて「もっと早く救急車を呼んでいれば」と悔恨を滲ませます。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。