起訴猶予とは?前科・執行猶予との決定的な違いと釈放の真相を解剖

起訴猶予とは?前科・執行猶予との決定的な違いと釈放の真相を解剖

起訴猶予とは?前科・執行猶予との決定的な違いと釈放の真相を解剖についての最新情報を徹底解説します。

検察官はどのような基準で起訴と不起訴(起訴猶予)を切り分けているのでしょうか。刑事実務の現場において検察官が重視するのは、主に次の3要素です。

第1に、犯行そのものの軽重と態様です。被害額が比較的少額である窃盗事件や、凶器を使用していない突発的な傷害事件、痴漢や盗撮などの迷惑防止条例違反といった初犯事件では、起訴猶予の選択肢が現実味を帯びます。逆に、組織的な詐欺事件や人命を脅かす重大犯罪では、初犯であっても起訴猶予を勝ち取ることは極めて困難です。

第2に、本人の属性と再犯防止の環境です。年齢や家庭環境、定職に就いているか、そして家族による身元引受や監督態勢が整っているかが精査されます。本人が事実を認めて心から反省し、二度と同じ過ちを繰り返さない環境が整っていると評価されれば、情状面で強力にプラスへ働きます。

第3にして最大の決定打となるのが、被害者との示談の成否です。被害者が存在する事件において、示談が成立しているかどうかは起訴猶予を獲得するための最重要ファクターと言っても過言ではありません。単に被害弁償金を支払うだけでなく、示談書の中に「被疑者の処罰を望まない」「刑事処罰を求めず寛大な処分を求める」という宥恕(ゆうじょ)条項を盛り込めるかどうかが、検察官の最終決裁を大きく左右します。

逮捕・勾留された身柄事件の場合、起訴か不起訴かの終局処分が下されるまでのタイムリミットは、勾留延長を含めても最長23日間しかありません。この極めて限られた時間内に被害者へ謝罪を尽くし、示談をまとめ切ることが起訴猶予への決定的な分水嶺となります。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。