関西で「息を呑むスケール」を体感したい旅人が真っ先に向かうべきは、北近畿エリアを代表する二つの巨頭です。その代表格である兵庫県丹波市の天台宗寺院・白毫寺(びゃくごうじ)は、白毫寺九尺藤開花情報が発表されるやいなや全国から写真愛好家が集結します。名物の「九尺藤(学名:ノダフジ系カピタン)」は、気象条件が揃うと花房が1.5mから最大で約1.8m近くまで垂れ下がり、頭上から紫の豪雨が降り注いでいるかのような錯覚を覚えるほどの迫力です。
白毫寺の藤棚は幅9m、全長120mに及び、木製の棚から隙間なく落ちてくる花穂の密度は国内でも指折りです。見頃の最盛期には日没後に五色に彩られたLEDライトアップが施され、暗闇の境内に紫の花房が浮かび上がる光景は息を呑む美しさを見せます。
もう一方の雄、兵庫県朝来市に位置する白井大町藤公園開花状況も、例年ゴールデンウィークの観光動態を左右する重大な関心事です。こちらは山陰随一の規模を誇る藤の公園で、総延長500m、幅4mの藤棚が山あいの盆地を取り囲むように設置されています。公園の頭上には約70匹の色鮮やかな鯉のぼりが悠々と泳ぎ、初夏の爽快な青空、緑の山並み、紫と白の藤棚が一体となった開放感あふれる景観が広がります。藤の花名所関西ドライブを計画するドライバーにとっては外せない目的地です。
ただし、両スポットとも山間部の狭小な生活道路を経由するため、見頃の休日は数キロ手前から動かなくなる「藤渋滞」が毎年恒例となっています。午前9時の開園に合わせて動くのではなく、午前7時台に現地周辺へ到着するスケジュール設計が鑑賞ストレスをゼロにする唯一の手段です。