無事に発芽し、つるが勢いよく伸び始めたからといって、野放しにしておくのは厳禁だ。つるを放任すると葉ばかりが茂る「つるボケ」を引き起こし、花が咲いても実に栄養が行き届かなくなってしまう。
ここで効いてくるのが「摘心(てきしん)」と呼ばれるプロの剪定技術だ。親つるの本葉が5〜6枚に達したタイミングで、親つるの成長点をハサミで思い切って摘み取る。すると、脇から元気な子つるが勢いよく伸び出してくる。
この子つるの中から、太く健全なものを3〜4本だけ選んで残し、他の弱いつるはすべて除去。限られた葉で作られる光合成のエネルギーを、選ばれし子つるだけに集中供給するのだ。この引き算の美学こそが、果実に極上の甘さを閉じ込めるための決定打となる。