日本中の正月気分を一瞬で凍りつかせた「バードカフェおせち騒動」の発端は、2010年11月にグルーポン上で実施された割引クーポンの大々的な共同購入でした。「厳選された豪華33品・通常21,000円相当」と謳われた「謹製おせち」が、50%OFFの10,500円で販売され、限定500セットが瞬く間に完売しました。
しかし、2010年12月31日から2011年1月1日にかけて購入者の自宅に届いた実物は、見本写真とは似ても似つかない無残な状態でした。大半の重箱がスカスカで、わずか数粒の黒豆や一切れのチーズが散らばり、食材の腐敗臭や変色、解凍の不備によるドリップ(液漏れ)が相次いで報告されたのです。
被害を受けた購入者が当時の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)やTwitter(現X)に次々とアップロードした写真は瞬異的なスピードで拡散され、ネット上は怒りと呆れの声で溢れかえりました。事態を重く見た横浜市保健所や消費者庁、農林水産省が立ち入り検査を実施した結果、「比内地鶏」と表記しながら実際には一般の鶏肉を使用していた産地偽装や、キャビアなど高級食材の虚偽表示といったJAS法違反が次々と明るみに出ました。
その後、販売プラットフォームであったグルーポン側が全額返金対応および5,000円相当のギフト券送付を実施し、外食文化研究所側も返金とお詫びを発表する事態へと追い込まれました。