怪我との戦いこそが、彼のキャリアそのものだったと言っても過言ではない。入団1年目から衝撃的な盗塁ラッシュを見せながらも、膝の軟骨損傷という大傷に泣かされた。その後も太もも裏の肉離れや骨折など、数知れない離脱を経験。それでも彼は「グラウンドに立てば100%の手を抜かない走り」を貫いた。
引退の決意を固めた背景には、限界まで追い詰められた満身創痍の肉体があった。球団関係者によると、2026年の春季キャンプ直前、本人の口から「チームの勝利に100%貢献できる走力が維持できなくなった」という意向が伝えられたという。最後まで自らのアイデンティティである「足」にこだわり抜いたからこその潔い引き際だった。