2人の人物を描く際、最も多い挫折が「パーツごとに描いてしまい、全体の縮尺や遠近感が狂う」という現象です。これを防ぐためのイラストの描き方・アタリの取り方と幾何学的な画面構成法を解説します。
2人構図を安定させる基本は、「2人を内包するひとつの幾何学図形」を意識することです。特に安定感と視覚的満足度を与えるのが黄金比(約1:1.618)を取り入れた三角構図です。
三角形の底辺に重心を置き、頂点に一方の顔や視線の集まるポイントを配置することで、鑑賞者の目は自然に三角形の辺をなぞるように動き、画面全体を心地よく巡ります。立ち姿と座り姿を組み合わせたり、段差を利用したりすることで、自然な三角構図が完成します。
アタリを取る手順としては、まず共通のアイレベル(水平線・視点)と接地面(床面)を決定します。次に、2人の中心を通る「重心ライン」を1本の共通フレームとして捉え、背骨と骨盤の傾きをラフに配置していきます。2人の頭部サイズを比率で固定してから肉付けを行うことで、スケール感の不整合を完全に防止できます。